アシスト付き農機具でスマート農業!

ロボット技術やICTなどの先端技術を活用したスマート農業が、どんどん進化していることをご存じでしょうか。農業従事者の高年齢化、後継者不足などの対策としても期待されています。2018年11月には、高精度測位サービスを提供する衛星システム「みちびき」の運用も始まることから、自動運転農機などの市場は、さらに拡大していく予想です。

また、農業女子と呼ばれる女性にも、こういうシステムは有効でしょう。


農家が抱える問題と最先端技術

農業従事者の高年齢化は、上昇の一途をたどっています。後継者不足も深刻で、このままでは日本の農業が衰退してしまう懸念があります。そこで外国人技能実習制度を利用したり、新しい農業就労者への農地貸付など、国をあげた取り組みをしています。

その効果か、農業に興味を持つ人や、農業女子といわれる女性の農業従事者も増えている傾向にあります。しかし、まだまだ深刻な人材不足の状況が続いています。それを打開する1つの策として期待され、研究開発が進んでいるのがアシスト機能を備えた農機具です。

それらを使った農業「スマート農業」が、今後の日本の農業の支えになるのではないかといわれています。では、アシスト機能を備えた農機具とは、一体どんなものがあるのでしょうか。

もう植えるだけじゃない?!田植機

スマート農業の田植機は、ただ田植えをするだけの機械ではないのです。井関農機の可変施肥田植機は、各種土壌センサを搭載していて、作業中瞬間時に「作土深」と「土壌肥沃土」を検知します。しかも、田んぼ内で作土の深い場所や肥沃度の高い場所では自動で減肥制御を行うのです。

これによって田んぼ内の育成が均一化され、部分的な倒伏を軽減することが可能になり収穫効率の向上につながります。また、このセンサによって得た情報は、田んぼごとに端末に記録され数値化されてデータを共有することができます。

直進アシスト機能が搭載されており、レバー1本で切り替えることができます。運転に不慣れな方でも、きれいにまっすぐ田植えをすることが可能です。熟練の方でも、運転の負担軽減となり長い時間田植えを行っても疲れにくくなっています。

安全機能も搭載されており、あぜに近づくと警告音が鳴り、万が一あぜに乗り上げてしまった場合には自動的にエンジンが停止します。また、農業の効率向上になる「密播疎植」と「べんモリ直播栽培」を簡単に行えるようになっています。

「密播疎植」も、レバー1本切り替えるだけで行うことができます。専用機と違い、慣行苗でも密播苗でも植えることができるというメリットがあります。「べんモリ直播栽培」は苗ではなく種子を使うため、苗作業が一切必要ありません。

この2つは、苗を運ぶ重労働を減らしたり、なくすことができ、労力削減と効率化を図ることができます。

誰もが熟練者に?!トラクターの簡単操作

三菱マヒンドラ農機のトラクター、新型GAシリーズは誰もが熟練者同様、簡単に運転ができるようになっています。路上での運転をアシストしてくれるのは「アクセル変速」です。主変速レバーを「アクセル変速」にすることでオートマチック車と同じ感覚で運転することができます。

マニュアル車に不慣れな方でも、発進や停止をスムーズに行えます。作業時には、旋回アシスト機能が搭載されおり、作業機の上げ下ろしが自動で行われたり、旋回時の片ブレーキ操作が不要だったりと、ハンドル操作だけに集中して運転をすることができます。

耕うん作業時には、ジャイロセンサーを搭載した「ジャイロMAC」が、耕うん時のねじれ現象を抑制してくれます。また、地面の条件に合わせて耕深制御を行う「VRC制御」も搭載しているため、枕地のような凸凹が多い場所でも耕うんの均平性を確保することができます。

作業に慣れない方でも、まるで熟練者のような均平性に優れた耕うんが効率よく行えます。


ついに自動運転?!コンバイン

クボタでは「アグリロボコンバイン」という、GPSを内蔵した有人の自動運転を実現したコンバインを開発しました。GPSユニットから補正情報を受信することで、誤差数センチの高精度な刈り取り作業が可能です。これまで熟練の技術が必要だった作業を、不慣れな方でも再現することができるのです。

まだ安全性の面からオペレーターが、常に乗車していなければいけませんが、今まで長時間の収穫作業に追われていた部分の負担軽減を図れます。また、収穫物のタンクが満タンになると、事前に指定していた排出位置まで自動で移動します。

排出作業は手作業で行わなければなりませんが、その後運転アシストボタンを押すと、自動で収穫の再開ポイントまで移動し、アシスト機能で収穫を再開することができます。安全面においても、事前に機体の動きを音声で知らせたり、緊急時にはオペレーターの手動運転が優先されます。

生産者をアシスト?!農業用アシストスーツ

農業用アシストスーツも、どんどん研究開発が進んでいます。アシストスーツは、直接体に装着して使います。スーツの重さは5kgまで軽減され、ひざ下は何も装着しないフリーな状態で転倒などの事故を防ぐように、安全面にも配慮されています。

1回の充電で2時間から3時間の使用が可能で、屋外での使用も想定して生活防水を施してあります。荷物を持ち上げる「持ち上げアシスト」、中腰の作業をアシストする「姿勢保持アシスト」、歩行のアシストをする「足の振り上げ・踏ん張りアシスト」などが搭載されています。

このアシストスーツを装着することで、20kgの荷物を持ち上げるのに使う背筋の活動量を半分に抑えることができます。つまり、アシストスーツを装着していないときの半分の力で荷物を持ち上げることができるのです。

このアシストスーツは、産学連携で研究開発されており、まだまだ進化を続けていくでしょう。

進化する農業

このように、さまざまな農機具にアシスト機能が搭載されています。これからの農機具は、アシスト機能を搭載していることが標準になるのではないでしょうか。本格的な遠隔操作による自動運転での農機具も開発が進んでいます。

先端技術を詰め込んだ農機具は、労働の省エネやコストの削減、収穫量の増加など、効率的な農業をもたらしてくれるでしょう。アシストスーツなどは、高齢者や女性などの大きな味方になるはずです。こういったアシスト機能と、今まで培ってきた農業のノウハウを融合させた進化した農業が発展していくのではないでしょうか。

人材不足というピンチは、新しい農業へ進化するチャンスをもたらしてくれたようです。

農機具とアグリの関連性とは